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2008年1月号

vol. 010

子を持たないと分るはずない親の恩

~その立場になってみないとホントの事など分かるはずがない~

「子を持って初めてわかる親の恩」と言う諺がある。
ほのぼのとした諺のように聞こえるが、実はかなり辛辣である。
言い換えれば「子を持たない限り親の気持ちなど分かるはずがない」となる。

親の気持ちを「分かってる」と思っていた独身時代。
しかし自分自身が子供を持って、
初めて思い知った「親の気持ち」だった。

これを読んでいる諸兄にも、同じ思いをした人は多いだろう。
親は子供のためには、命さえ投げ出せるのを実感できたはずだ。
どうやらこれは理屈ではないようだ。

要は、その立場になってみないと、
その立場の人の気持ちなど、永久に分かりっこないのだ。
そこに立たなければ、そこでの思いは、
絶対にわからないようになっているようだ。
この摂理に気付いた。

経営者になって、社員を持って、初めてわかった事がある。
ここでは敢えてそれは書かないが、
「なるほどなぁ」と思う。
20数年、お世話になった親会社。
その親会社のトップの気持ちが骨身に染み始めた。

昔からリーダーをよく務めた。
先頭に立って旗を振るのが好きだったのであるが、
リーダーにはそれなりの苦労も多い。
そんな中、メンバーから
「谷さん、こりゃどういう事ですか!」と噛み付かれる事がある。
言い聞かせ、納得させるのは簡単であるが、
言い聞かせても、言い聞かせても、また噛み付いてくる。
そんな時、私はもう言い聞かせなどしない。
思い知らせることにしている。

説得はしない。
「思い知らせる」のである。
何とヒドいことを…と思われる方も多いだろう。
しかし、これが何よりの教育だと思っている。
多分に「思い知らせる」という言葉の響きが悪いのかもしれないが。

噛み付いてきたそのメンバーを、
私と同じ立場に置いてみる。
「じゃあ自分の思った通りにやってごらん」と。
権限委譲である。

彼は「我が意を得たり」と事を進める。
そして私は、彼が躓く(つまづく)のを待つのである。
私は、彼が躓いた時に、チームがこうむる損害を最小限に抑える準備も始める。
そして私は、彼の傷を癒す準備も始める。
担架を用意し、救急箱を用意し、赤チンを用意する。

果たして彼は躓いた。
失意の中、横たわる彼は痛みを堪えている。膝からは血が滲んでいる。
顔を覗き込む。
「痛い?」
「痛っす」
「分かった?」
「分かったっす」
私は彼を抱き起こす。
彼は1,000回、耳から聞く「言い聞かせ」より、
最も効果的な「ご宣託」を天から受け取ったのだ。

「知る」は誰でもできる。
だが「気付く」は難しい。
時間もかかるし、手間もかかる。
が、これに勝る教育はない。

人のすることに、批判ばかりを繰り返す人がいる。
「じゃ、やってごらん」
と言っても、そういう人は何もしない。

「その人の立場に立って考えてみる」
実はこれでは不足なのである。
一度でも、その人の立場に立ってみるがいい。
エラそうな批判は、それからだ。

親の思いを知るには、子供を産むしか他にない。
それ以外の方法など、
この世にないと断じたい。

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 社長 谷洋の独り言ブログ 日々是好日