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2008年12月号

vol. 021

隣を見せたら品質は劣化する-という法則

~品質とはいったい何なのか?その真理にたどりついた大発見~

とかく品質に敏感な日本人。
ところが日本人の品質感は「均質」であることが分かってきた。
同時に、この錯覚を利用すれば品質を担保できる、と気が付いた。

品質とは「比較」である。
まず、代価に見合った価値があるか?
これが品質の第一にくる比較だ。
しかしそれだけではない。
マクドナルドでチーズバーガーを二つ買ったら、味が違った。
この瞬間、品質はアウトである。
両方がどんなに美味くてもだ。

こんな例がある。
ハウスクリーニングの会社があった。
年末にある家に呼ばれ、台所と洗面所とトイレを掃除した。
派遣されたA子はサービス精神が旺盛で、
会社から決められた水準を遥かに超えてピッカピカで掃除を仕上げた。
A子は、お客様に喜んで欲しかったのだ。
素晴らしいことだ。

さて次の年。
そのお客様は、その年もハウスクリーニングを依頼をしてきた。
今度はB子が派遣された。
しかし、お客様から烈火のごとくお叱りが飛んできた。
「今度の人はちゃんと仕事をしない」と。

実はB子は会社の決められた水準をちゃんとキープしていた。
いやむしろ、その少し上を行ったぐらいだ。
ハウスクリーニング会社に落ち度はなく、
代価に見合う品質を提供していたにも関わらず、だ。
品質とはこういった特性を持っている。

ハウスクリーニング会社はB子を咎(とが)めなかった。
そしてA子に厳重注意をした。
「やり過ぎだ」と。

お客様は錯覚しているに過ぎない。
最初に訪問したA子の品質を「標準」としてしまったのである。
だからB子の品質を「劣化」と捕らえた。
隣を見せてしまったがため、品質が劣化した瞬間である。

品質と均質と同義である場合が多い。
メーカーは大量に作り出す製品が「決められた基準を達成しているか」を計る以外に、
すべての製品が「同じものか」をも計測をしている。
世間に多く同じものが出回る製品は、
製品同士が比べられてしまうからである。

これは工業製品だけではない。
スーパーの生鮮食品コーナーに並ぶキュウリでさえ、
同じ形をしていなければ品質アウトだ。
日本人は曲がったキュウリを買ってはくれない。
味とは無関係だ。

りんくる社は人的サービスを提供している。
人間の提供するサービスは、
パソコンや野菜に見られる均質での提供は難しい。
人間の個々の性格によって生まれる品質のバラツキを、
均質に保つには限界がある。
人材派遣でもそれが言える。

ではどうすれば品質を担保できるのか…。
マニュアルでの均質化などは机上の空論だ。
当時、品質に厳しいIBM社と仕事をしていた時の、
日課のようなテーマだった。

そしてたどり着いた妙案が、
「隣を見せない」だった。
これが私にとって大発見となった。

リピートを依頼してきたお客様に、
前回と同じサービス員を行かせるように仕組んだのである。
これは簡単そうで難しい。
とにかく「比較をさせないこと」に管理神経を集中させたのだ。
同じお客様には同じサービス員を行かせる。
これで「均質」が保てるのである。

この心理をさらに逆利用もした。
1回目に訪問したサービス員に、お客様から「クレーム」が出た。

これには、1回目とタイプの違うスタッフを走らせる。
同じサービス員に「今度は気をつけて」と言い聞かせても無駄なのだ。
お客様は、高い確率で、
前と違うサービス員が来てくれたこと自体に満足を得るのである。
「人を替えてくれた」という行為に溜飲を下げるのである。
これは「わざと隣を見せる瞬間」である。

我々はコンシェルジュというサービスを提供している。
お客様のIT環境の運用保守を、
月額固定費で提供しているのだが、
「担当コンシェルジュは専任制。サービス員を代えません」を謳っている。

これは、サービス員が、
どんどんお客様の事情通になっていく効果を得るためで、
お客様にとってもウェルカムであり、
「隣を見せない品質」を狙っての効果も兼ねている。
一石二鳥。
品質管理追求の苦悶が生み出した妙案となった。

品質管理とは、
「製造過程」の管理ファクターだけではない。
なんと、
お客様心理を読む「マーケティング過程」にも品質制御が存在するのである。

さて次は、
曲がったキュウリを敢えて売ることを考えてみようかと思っている。
隣の芝生が青く見える「購買心理」も面白そうだ。

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 社長 谷洋の独り言ブログ