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2009年3月号

vol. 024

恐るべし-第三者の言葉

~人を簡単に抹殺したり蘇生したりできる「第三者の言葉」とは~

直接、自分で伝えるのではなく、人の口を借りて何かが伝わる時、
正しく伝わるかどうかは別として、効果は倍増する。
「第三者の言葉」は簡単に人を殺し、人を活かすことができる。

もしあなたが上司から面と向って、
「君は期待に応えていない」と叱責されれたらどう感じるだろう。
無論、ショックは受けるかもしれないが、
その言葉をまっとうに受け止め、激励だとも受け取るだろう。

が、どうだろう。
もし上司のその言葉を、上司本人からではなく、
あなたの同僚から、
「部長が君の事を期待ハズレだと言ってたゾ」と聞いたなら…。

これはショックだ。

部長はあなたに直接伝えず、第三者に心の内を明かした。
ここにはウソはない。(と思い込む)
あなたは、部長から見放された、と思うはずだ。

会社の役員が朝礼でこう言った。
「我が社はたいへんな危機にある。頑張って欲しい」と。
それを聞いたあなたは、
「たいへんだ。頑張らなくては…」と思うだろうが、
内心、それほどの危機感など味わっちゃいない。

だが、こう聞かされたらどうだろう。
朝礼が終わった後、同僚があなたにソっと耳打ちをした。
「おい、ウチは相当にヤバいらしい。ヘタすると潰れるゾ」と。
あなたは同僚のその言葉に、本当の危機感を得るだろう。

「第三者の言葉」には人を蘇生する効用もある。

いつもいつも部長に叱られているあなたは、
「ああ、オレはもう役に立たないんだ」と落ち込んでいた。
そして部長を恨み、
とうとう同僚に「会社を辞めたい」と愚痴ってしまった。
そうしたら、同僚がこんなことを言った。
「何言ってんだ。部長はおまえのことをどんなに褒めてるか!」
「え?…」

こんな経験は誰にも一回や二回はあるはずだ。
自分を疎んじていたはずの部長が、
自分の知らない所で、自分を認めてくれていたなんて…。
胸に漂っていた暗雲がスッと晴れる瞬間だ。
例え、その同僚の言葉が、
あなたを辞めさせないためについた機転のウソであってもだ。
これであなたは生き返るのだ。

直接あなたが聞く言葉。
第三者を通じてあなたが聞く言葉。
仮にその内容がまったく同じでだったとしても、
直接なのか、間接なのかで、これだけ受け取り方が変わってくる。
これが「第三者の言葉」なのである。
恐るべし、だ。

第三者は、自分と利害関係がないから第三者なのである。
利害関係のない人間の言葉には、
演出やウソがないと、まず思い込むのである。

よく使うフレーズにこんなモノもある。
「あなたのやり方には付いていけません!」
「なんだって?」
「みんな、そう言ってますよ!」
みんな…?

まさか全員が同じ意見であるはずがないのだが、
この「みんなが言ってる」という言葉の効き目は絶大だ。
死刑を宣告されるぐらいの効き目がある。
これも「第三者の言葉」の効用なのだ。

ある時、この「第三者の言葉」に気が付いた。
そして、
これを使えばチームマネージメントができる、
と膝を打った。

「第三者の言葉」は意図して使えば「凶器」となる。
例えば排除したいメンバーがいたとしよう。
直接「辞めろ」と言えなくとも、
「第三者の言葉」を借りて「役に立たない」を伝えればいい。
効果は倍増する訳だから、
「私、辞めます」と言ってくるぐらいの効き目を発揮する。

逆にチームの結束を強めたければ、
「第三者の言葉」を上手く使ってくれる「腹心」を、
チーム内に潜ませておけばいい。

恐るべし、だ。

だが私は、この凶器を使えなくなってしまった。
なぜか?
私はこの「第三者の言葉の効用」を、
チームメンバーに披露してしまうのだ。
まるでマジシャンが手品のタネを明かすようなものだ。
このブログにも平気で公表している。
これでは使えない…。

「第三者の声」の恐るべき効用を知った今、
私にできることは、
人の評価を、本人以外の第三者には決して吐露しないことである。

仮にもし、第三者に伝える時は、
「褒め言葉」だけにしておく。
そう。
私にとって、この「第三者の言葉」は、
平和利用にしか使えない原子力技術に似ているのだ。

このブログを読まれている諸兄は、
間違いなく、何らかの組織にポジションのある方だ。
であれば、この「第三者の声」を上手く使って欲しい。
あなたの吐いた、誰かの評価は、
必ず、その当人へと伝わっていく。
そしてその内容は、必ず倍増していることを伝えておきたい。

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 社長 谷洋の独り言ブログ 日々是好日