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2009年6月号

vol. 027

うちの子はやればできるのよ

~やればできるならやってごらん。やらない奴にできる奴などいない~

浪人時代、運命を変える経験をした。
第一志望の大学受験の当日だった。
私はそこで、重大な事に気付いたのだが、もはや遅かった。

私は高校時代、青春を人並みに謳歌した。
だが、大学受験に重きに置く「受験小僧」でもあった。
偏差値の高い大学に行くことこそ、人生の成功だと思っていた。

しかし多感な時期だ。
映画、ボーリング、小説、麻雀、深夜ラジオ、そして恋愛、などなど、
この時期にしかできない青春アイテムを、
簡単に捨ててしまう勇気は持ち合わせてはいなかった。

そして、ある方針を立てた。
受験勉強は、教養をつけることなど目的ではない。
入試で良い点を取ることだけが目的なのだから、
「試験に出る所だけを勉強すればいい」と悟った訳である。
入試に出題されない問題など、解けなくても構わないではないか。
そんな勉強は、人生の何の役にも立たないはずだ。

日本史を端から端まで覚えるのは愚かである!
「そんなことをしてるから、女の子と遊べないんだ」と揶揄もした。
コツコツと勉強する同級生を見ては、
「何をバカなことを…」と思っているような高校生だった。

浪人が決まってからは、この思いはますます旺盛となり、
志望校を早々に決め、
その志望校の「出題傾向」を徹底的に研究することにした。
アカ本と呼ばれる「傾向と対策」の熱狂的信者だ。
中途半端はイヤだった。
徹底的に傾向を絞り、徹底的に出るところだけを勉強した。

そして、志望校の入試問題は、
キッチリ4年おきに出題傾向を変えることを掴んだ。
今度の受験はピッタリ4年目に当たる。
すべての科目において、偏重な出題が顕著で、
まさに傾向と対策だけで合格できる大学だと確信した。

そして受験日。
この日の衝撃は今でも忘れない。

1科目目の問題用紙を開いた。
瞬間、ある違和感を感じた。
少し傾向が変わっている気がする。
出ないはずの問題が出題されている。
が「そんなはずはない」と言い聞かせて1科目目を終えた。

2科目目。
明らかに傾向が変わっていることに気が付いた。
動悸が止まらない。
喉がカラカラになったことを思い出す。

そして3科目目の物理。
もう間違いない。
4年目の今年に、傾向をガラリと変えてきたのだ。
解けない問題が目の前に並んでいた。

試験問題をじっと眺め、10分ぐらい経っただろうか。
心の中の焦燥はもうなく、絶望感だけがあった。
期待してくれた両親の顔が脳裏に浮かび、
曲がりなりにも青春の一部を犠牲にしてきた数年間を思い返すと、
突然、涙が溢れてきた。
試験官が「君どうしたんだ?」と声をかけてくれた。

4科目目に臨んだ時だ。
「始め」の声に、他の受験生は一斉に答案用紙を裏返す。
私はただ呆然と問題を眺めるだけで、手は動かなかった。
見たこともない問題ばかりだったからだ。
だが数秒後、
いきなり鉛筆の、カツカツカツッという音が耳に入り始めた。
総ての受験生が、1問目から解き始めていたのだ。

すごい!と思った。
素直に、心から「すごい!」と感じたのだ。
「こいつら、端から端までを勉強したんだ…」と思ったら、
心から畏敬の念が溢れてきた。
真摯に、すごい!と思った。

私は問題も解かず、別のことを考えていた。
「こいつら、青春の大事な時間をすべて犠牲にした」と。
「遊びたい気持ちを封印し、眠い目をこすって勉強したんだ」と知った。
その時、母親からいつも言われた言葉を思い出した。
「あなたはやればできるのよ」という、
できない息子を励ます、母親の常套句だった。

違ったのだ。
「やればできる奴」が偉いのではなく、
「やった奴」が偉いのだ。
そう。
愚かは、自分の方だったのだ…。

何故、もっと早く気が付かなかったのだろう。
受験とは、
この思春期に、遊びたい気持ちを抑えた人にのみ、
栄冠が届く「意志の強さの検定」だったのだ。

私は大学進学後、考え方を改めた。
進んだ大学は、平凡な私立大学となったが、それが実力相応だ。
「やらなかった」という事実が、実力そのものなのだ。
良い大学に行った連中を、
素直な気持ちで尊敬できるようにもなった。

私は「学歴社会」を肯定したい。
今、学歴社会を否定する風潮があるが、確かに偏重は危険だ。
だが、青春時代に後ろ髪を断ち、
勉学に打ち込んだ人間が評価されるのは、当然だと思う。
学歴は「自己を律する能力」の、
極めて大きな指標の一つではないかだろうか。

実行する。
とにかくやる。
実行は、百の弁明より尊い。
今、私は、自分にも社員にも言い続ける。
実行せよ、と。
実行しての失敗は、実行しない偶然の成功に勝るんだ、と。

33年前、もっと早く気付くべきだった。
もう間に合わないのだろうか?
いや。
私はまだ、間に合うと信じている。

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 社長 谷洋の独り言ブログ