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2010年3月号

vol. 036

達成感走性

~人間には達成感の光源に飛び込んで行くと言う不思議な走性がある~

昆虫の多くは本能的に「光源」に向かう特性を持っている。
これを「光の走性」と言う。
生物の殆どがこの「走性」を生まれながらに持っている。

街灯の蛍光管に、多くの昆虫が猛スピードで飛び込んでくる。
夏の屋外でよく見られる光景だ。
そこにエサがある訳でもないし、異性が待っている訳でもない。
単に、光に対して本能的に向って行く性質があるだけのことだ。
昆虫にとって、
例えその光源が危険な場所であろうとお構いなしである。

私には昆虫の気持ちは分からないが、
光を見ると、ムズムズしてくる感覚なのだろう。
「走性」とはこんな「ムズムズ感」なのかもしれない。

ちなみに「本能」と「走性」は違う。
「本能」とは、中枢神経が「生存欲求」に無意識に働くもので、
ちゃんと説明のできる行動なのだ。

だが「走性」は中枢神経を持たないゾウリムシにもある。
と言うことは、
「走性」とは、ある「刺激」に対して、
脳さえ反応せずに働く「説明のできない行動パターン」となる。
メカニズムはまだ解明されていない。

人間も生物である以上、
そういった「走性」を持つはずだが、多くの研究ではその例は上がっていない。
せいぜい欲求行為か反射行為だろう。
人間には「自律」が存在するため、
「走性」は、数万年をかけて退化してしまったのかもしれない。

だが人間には、
他の生物に見られない独特の「走性」があると言うのだ。

人間は「達成感」という光源に向かって突進する性質があるのだ。
これは人間だけに見られる行動らしい。

ハーツバーグという研究者がいる。
人間の「動機付け」を研究した理論で、
「人間は、達成感によってモチベーションを維持し続けることができる」
と説いている。
まったく異論はない。

ただしハーツバーグは、
「なぜ人間は達成感を得たいと思うのか」は、
説明していない。
理由が解明されていないからだ。
まるで「走性」だ。

日本のある企業が、面白い実験を行った。

20名の人間を、
AチームとBチームの10名ごとに分け、
それぞれに、
1,000羽の「折り鶴」に挑戦してもらった。

Aチームの10名には、
単に「10名で1,000羽の鶴を折って下さい」とだけ依頼し、
Bチームの10名には、
誰に、何のために、の説明も添え、
「『千羽鶴』を作って欲しい」と依頼した。

AもBも、1,000羽の鶴を作ることに違いはない。
そして10名それぞれの能力に大きな差もない。
だが実験結果は、
とんでもない違いを見せてくれた。

「千羽鶴」を作ったBチームは、
なんと、
Aチームの半分(!)の時間で鶴を折り上げたのである。
半分だ。

そう。
Bチームだけに「達成感」が用意された成果なのだ。

たったそれだけで、
人間は、自分の持つ潜在能力を簡単に引き上げてしまうようだ。
誰に「急げ」と命じられた訳でもなく、
勝手にモチベーションを高めたのである。

この人間だけにある「達成感への走性」を上手く使うべきだ。

もしあなたに部下がいたら、
仕事を最後まで監視する必要はない。
急がせて尻を叩く必要もない。
仕事の中に、
やり遂げれば「達成感」を得られるような隠し味をし、
後は放っておけば良いのだ。

極端な表現をすれば、
5名で、倍の10名分の仕事ができるかもしれない。

この理屈を知った後、
「この仕事の意味は~です」
「この仕事を仕上げれば、会社にはこんな貢献がもたらされる」
といった、仕事を依頼する背景や目的、
チーム全体での、その仕事の持つ意義を伝えるようにした。
どんな小さな仕事にもだ。

「お前は言われた仕事をやっとけばいい!」
なんてセリフを吐いていないだろか。
決まったルーチン業務に、達成感を紛れ込ますのも難しい。
だが、面倒かもしれないが、
仕事の一つ一つに「達成感」のタグをつけて発信するのだ。
これで、極めて強いチームができ上がるのだ。

達成感がモチベーションを上げることは、
誰もが知っている。
だが、それを活用している人は多くない。

食欲、物欲、性欲、出世欲など、
「本能」に拠るビジネスはあまたある。
しかし「走性」を上手く使ったビジネスもあり得るはずだ。

人間の「走性」はまだまだありそうだ

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