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2012年11月号

vol. 068

空席の価格(おまけ)-コークスに火をつけろ

~使い道のないド素人の主婦軍団。この愛すべき「コークスクルー」に火をつけたら~

どうしようもないド素人のSOHO達がそぞろ集まってきた。
その使い道のないSOHO達の「活躍の場」がついに見つかった。
「空席の価格」のおまけ編。最後に面白いビジネスネタをお届けしよう。

さて、全国のクルー達が活躍し始めたことは前号で紹介したが、
プロフェッショナルなSOHOが集まってくる横で、
「昨日、初めてパソコンを触りました。そんな私に仕事ないですか?」
なんて言う、あきれたメールが舞い込み始めた。

「我々のチームはパソコンのプロ集団です。あなたにはムリです」
と一人ひとりにお断りをしていくのだが、
メールをしてくるのは、厚顔の30歳~40歳代の主婦ばかり。
少しでもお小遣いを稼ぎたいのだろうが、あきれた連中である。

私はこういった連中を「コークス(石炭)クルー」と呼んだ。
ピッカピカのハイスキルのSOHO達を
「ダイヤモンドクルー」と呼んでいたので、その対比だ。
「ダイヤモンド」も「コークス」も同じ「C元素」からできている。
値打ちはまったく違うが。

ところが、そんなコークスクルーをストックし始めて1年。
その数が1,000名を超えた時、
「その主婦軍団を使わせて欲しい」と頼まれてビックリした。
「ん!この石炭、使えるの?」と。

当時(1999年頃)「iモード」が始まり、
携帯電話で、誰でもメールが送れる時代が始まろうとしていた。
コンピュターの力量などどうでもいい。
日本中から情報を集めるビジネスと、日本中に情報を配るビジネスの、
まったく新しい「情報ビジネス」が誕生したのだ。

始まりは「アンケートビジネス」だった。
今では、インターネットでアンケートを回収するなんて当たり前の話だが、
当時はまだ、インターネットを使う層は特殊な人種だったので、
得られる結果は、かなりの偏重なデータになると言われ、
インターネットによるアンケートは行われていなかった。

そこで、我々は「ヒネリ」を加えた。
全国1,000人のコークスクルーに、
「あなたの周りにいるフツーの人、10人からアンケートを取ってきて」と依頼し、
その結果をメールで送ってこさせたのだ。

コークスクルーには回答させず、
コークスクルーに「回答者を見つけさせる」のがミソだ。
総勢、10,000人の回答者がいれば、
あとは、地域、性別、年齢、学歴、家族構成、趣味や嗜好など、
多彩な条件に沿ったアンケートが、いくらでも回収できるようになった。
これはアンケートビジネスのパラダイムシフトとなって行った。

次も「集めるビジネス」だ。
携帯電話にカメラが付き始めた。
つまり、1,000人の主婦が日常的にカメラを持ち歩く、と考えていい。
そして、次のようなビジネスが始まった。

ある広告代理店から、
「近鉄沿線の駅舎に出ている広告の写真を撮ってきて欲しい」と。
それまでは、広告代理店の社員が、
広告を出した駅をすべて回って写真を撮ってきたのだ。

だが、1,000人のコークスクルーを使えば、
近鉄電車の160の駅近くに住む主婦が、
自分の担当の駅に行き、広告を写真に撮り、そのまま携帯からメールをする。
一瞬にして情報が集まるシステムだ。
点在する情報を、瞬時で集める「リサーチビジネス」の大改革となった。

まだまだある。

カーナビにはガソリンスタンドの位置が表示されている。
これを「静的情報」と呼ぶ。
だがどうだろう。
もし、地図上に「レギュラーガソリンの価格」が表示されたなら。
これこそが、未来のカーナビに表示される「動的情報」なのだ。

コークスクルーは、自転車で家の周りを巡り、
自分の担当する20ヵ所のガソリンスタンドを見て回る。
1,000人のコークスクルーで、全国2万ものガソリンスタンドの、
「今日のレギュラーガソリン価格」がウォッチできるのだ。
カーナビの世界は恐らく一変するだろう。
これは実際に、大手自動車メーカーから、実験を依頼された例だ。

「情報を配るビジネス」も始まった。
車検のフランチャイズ本部から、次のような仕事が舞い込んだ。
「来月、車検を迎える車のワイパーにチラシを挟んできて欲しい」
というプロモーションビジネスだ。

コークスクルーは日常的にチラシを持って歩くだけ。
道端に停めてある車のフロントガラスの「車検月」が翌月ならば、
ワイパーにチラシ挟むのだ。
そして、その車のユーザーが車検に行ったなら、
コークスクルーはお小遣いをゲットできるというシステムだ。
チラシはいつでもホームページからダウンロードができる仕組みである。
なるほど。

ビジネスネタは挙げればキリがない。

ビジネスは、ある何かの「数」が異常なほどに多ければ、
必ず「何かができる」と思っていい。
例えば、携帯電話を持った主婦を1,000人も組織できたなら、
新しいアンケートビジネスが生まれる、
といった風にだ。

女子高校生を100人知っていてもビジネスにはならないが、
日本中に、1万人の女子高校生を束ねらたら、
恐らく、何か、どデカいビジネスを興せると思って間違いない。

シリーズ「空席の価格」を読んで、
自分も新規ビジネスを興してみたい!と思った人がいたならば、
この「夥しい数を集めれば何かができる」を信じてみてはどうだろう。
コークスは、うまく燃やしさえすれば、
とんでもないポテンシャルを生み出すことは立証済みだ。

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 社長 谷洋の独り言ブログ 日々是好日