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2014年1月号

vol. 082

リーンアプローチ

~大きなビジネスを発火させるには相当の力が要る。ならばリーンアプローチだ~

大きなビジネスを興すのは並大抵ではない。
だが、どデカいビジネスも、それを導く面白い手法があるのだ。
今回は、その手法「リーンアプローチ」を紹介したい。

この言葉に初めて出会ったのは、30年以上も前のことである。
私にとってこの言葉は、ベンチャービジネスの原点のような言葉である。
そんな、一度も忘れることのなかったこの印象深い言葉に、
つい先日、30数年ぶりに再会することがあった。

まず「リーンアプローチ」の意味を説明しよう。
「リーンアプローチ」とは、
ホンダ技研が1975年に、世界に先駆けて成功した新しい燃焼機関、
「CVCCエンジン」の革命的メカニズムの原理である。

自動車のエンジンは、
ある一定の量のガソリンと空気の混合比によってパワーを得る。
だが、公害対策のため、
極端にガソリンの量を減らした混合比が試みらたのだが、
それではなかなか点火が起こらず、
混合比の「下限値」というものが存在していた。

そこでホンダは、ピストンシリンダの中を、大小の2つの部屋に分け、
まず、混合比の高くした小さな部屋で初期点火させ、
その小さな爆発を導火プラグとし、
混合比の低い大きな(メイン)燃焼室の発火を促すという、
画期的な「2段階の燃焼行程エンジン」を開発したのである。
これがあの有名なホンダの「CVCCエンジン」である。

初期点火を行う小さい燃料室をリーン(LEAN:やせ細った)と表現し、
大きいメイン燃焼室に引火させるこの手法を、
「リーンアプローチ」と呼ぶことになった。

私は1975年当時、まだ高校生だったが、
NHKでこの「CVCCエンジン」が紹介されたドキュメンタリーを見たとき、
そこに登場したホンダの技術者が、
「このリーンアプローチはどんな出来事にも起こりうる現象です」と
言った言葉が忘れられなくなった。

この「リーンアプローチ」は、
「大きなことをするためには、まずは小さいサイズで試してみよう」
という意味ではない。
「大きなことをするには、小さなことを起こして誘発させる」が正しい意味だ。
つまり「引火」させるのである。
この違い、分かってもらえるだろうか。

そして30年後、あろうことか、
この「リーンアプローチ」という聞き慣れない言葉に再会する。
あるベンチャービジネスを興した方の講演会だった。

日本屈指の大型スーパーに勤めるその彼は、
鮮魚を扱うバイヤーをしていた。
そしてあるとき、面白いビジネスを思いついたそうだ。

アジやサバなど、食卓に並ぶポピュラーな魚は流通に乗るのだが、
たまに網にかかるレアな魚は、
捨てられるか、漁師のまかないで食べられるしかなかった。
彼は、その「レアな魚」を流通させようとしたのである。

だが、その試みは失敗に終わる。
規格品を好む日本人には「レアな魚」は売れない。
彼がどんなに力説しても、大手スーパーはそのアイデアを採用しなかった。
現実とはそんなモンだ。

そしてとうとう彼は勤めていた大手スーパーを辞め、
自分で「レアな魚」の流通にチャレンジし始めたのである。

彼は、都内のいくつかの割烹と契約し、千葉県の漁協組合とも組み、
毎朝、自ら「レアな魚」を東京に運び始めたのだ。
すると、安定供給ができないという理由だけで流通しなかった「レアな魚」は、
たちまちその希少価値をウリにお店は人気となり、
評判は口コミでどんどんと広がり、
「ウチにも入れてくれ」というお店が東京各地に増えていったのである。

提携するお店と漁協は次々と増えいく。
ついには、大繁華街を持つ大阪や名古屋にも飛び火をしていく。
そして、とうとうその仕組みは、
大手スーパーには見ない、新しい社会的価値へと育っていくのだ。
「レアな魚」の次は「ひん曲がった野菜」にも光は当たり始めた。

彼は講演でこう言ったのだ。
「私は、大きなスーパーの流通を動かすことはできませんでした。
でも、リーンアプローチという手法で、
必ずや、このビジネスをビッグビジネスにしてみせます」と。
私は、その言葉を聞き逃さなかった。

彼はきっと、私と同じく、
1975年の当時、CVCCエンジンのNHKドキュメンタリーを見たはずである。
そして、この言葉が忘れられなくなったのだろう。
きっとそうだ。
同志がいたんだ、と胃袋が熱くなった。

小さくとも、自分の信じたビジネスを孜々営々とやっていけば、
必ずや誰かが声をかけてくるのだ。
「一緒にやりませんか」
「ウチと組ませてよ」と。

小さな成功を続ければ、その小さな成功は必ず大きな成功に引火する。
これは世界のホンダが立証した絶対原理なのである。
使わない手はないだろう。

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