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2015年2月号

vol. 095

40日インターバル

~どの本にも載っていない「解約の防ぎ方」は解約顧客が教えてくれた~

我々には、自分達に課している「ユニークなノルマ」がある。
契約している顧客へは、40日以内に必ず誰かが訪問するというルールだ。
我々はこれを「40日インターバル」と呼んでいる。

我々は、企業の「IT業務」をアウトソーシングで引き受けている。
顧客のIT環境にトラブルが発生すれば、
コンシェルジュと呼ばれる専門スタッフが駆けつけ、復旧を行う。
新しい機器が入れば、それが使えるようにセッティングをしに訪問をする。
これが、我々の主力商品「e-コンシェルジュサービス」だ。

料金は、顧客からは毎月、定額でもらっている。
毎月の訪問回数に上限はなく、呼ばれれば100回でも行く。
料金が定額なので、顧客は、コンシェルジュを呼べば呼ぶほど得をする。
だが逆に、コンシェルジュは呼ばれなければ訪問をしない。
このサービスは、こういった「保険」っぽい性格を持っている。

さて、このサービスをスタートしてすぐ、
我々はとんでもない難題にブチ当たった。

我々は、2005年の創業一年目、100件を超える新規契約を獲得した。
100件の新規契約が、多いのか少ないのかは、
翌年の契約数が、まずまずの30件である事から推察をして欲しい。
一年目は、とにかく新規の契約を、取って取って取りまくったワケだ。

果たして、一年目の契約数は目標を軽々と超え、
二年目のシーズンは、なお一層の獲得を目指す勢いだったのだが、
どういうワケか、この二年目に、
契約先から次々に「解約」の申し入れが始まっていくのだ。
「えっ!」「えっ!」という感嘆符が止まらなくなった。

この二年目、なんと一年目に獲得した契約の6割が解約されてしまう。
森の中で、背負ったカゴに次々に栗を放り込んでいたら、
カゴに穴が空いていて、歩くソバから次々と栗をこぼして歩いていた図だ。
何をやってるんだ!これはイカン。一旦止まろう。そう思った。

なぜだ…と考え始めた。
営業マンやコンシェルジュにその理由を尋ねるが、答えは千通りで、
一定の解約理由はそこからは見つからなかった。
考えても、考えても、解約理由は分からなかった。

そして意を決し、解約された顧客を訪ねてみることにした。
解約の理由をもう一度、自分の肌で感じるためだ。
だが、この作業は実際、辛かった。

「忙しいので時間は取れない」ぐらいならマシで、
「だいたいオタクらはね」と改めてお叱りを受けることも多く、
耳に痛いクレームを、わざわざ再燃させに行くようなものだった。
そして数十社、解約の理由を聞くことができたのだが、
やはり、その理由は千通りだった。

解約理由が分からぬまま、新規営業を続けても疲弊をするだけだ。
解約される何らかの「普遍的な法則」を見つけようと、
解約理由を並べた紙をジッと見つたとき、フッと引っかかるものがあった。
「この千通りの事情を、いつ聞いたんだ?」と。

なるほど。
解約の理由を、解約が決ってから聞いていたのだ。
つまり、解約の前に、解約の理由を聞けていないのだ。
これだ。
解約された「普遍的な法則」をようやく見つけた瞬間だった。

顧客の声を聞け!とはよく言ったものである。
我々は、コンシェルジュを通して、顧客と常時、つながっていたはずだ。
だが、コンシェルジュはリクエストがなければ顧客を訪ねない。
どこの顧客が、クレームを言うためにわざわざコンシェルジュを呼ぶだろう。
顧客の胸に芽生えた小さな不満の火種は、
それが発火(解約)するまで、誰にも伝えられていなかったのである。

そして我々はついに「40日インターバル」を発見するのである。
40日以上も訪問していないこと自体、それを「リスク」と見なし、
呼ばれていないうちに訪問し、先に火種をほじくり出すことにした。
「40日インターバル」は訪問の「トリガー」となった。

「この前、コンシェルジュが来てくれたんだけど、遅れて来たんだよ」
「わざわざ呼ぶまでもないけど、実は、これ、頼みたかったんだ」
「折角来てくれたから言うけどさ」
といった言葉がボコボコと溢れ出てきた。
恐らく、行かなければ出て来なかった言葉ばかりではないだろうか。

最初、1ヶ月に1回は訪問しようと「30日インターバル」を作ったのだが、
あまりに頻繁だと、かえって空気は悪くなった。
そして我々は、最終的に「40日」というインターバルの妙にたどりつく。
我々は呼ばれていなくても、未訪問が40日を超えないように管理し、
誰かが、顧客の声を引き出しに行くようになったのである。

我々には、解約率5%以下(100獲得の翌年に5解約まで)の目標があるのだが、
現在、解約率はその5%の下にある。
顧客は「わざわざ来てくれたんだね」という人間心理の機微の中で、
解約の原因となっていた千通りの事情を、ソッと消してくれている。

新規顧客獲得の労力は既存顧客を繋ぎ止めの労力の5分の1と言われている。
新しい栗を拾っている最中に、拾った栗をこぼしていては勝負は見えている。
呼ばれてもいない顧客を訪ね、もし耳に優しくない言葉が聞こえてくれば、
我々は「よくぞ訪ねた」と思えるようになった。

顧客の離脱率を5%改善するだけで、25%もの収益が改善されるらしい。
だがこの「40日インターバル」はそんな実益よりも、
顧客のクレームの火種を、素直な気持ちで、
改善への提言に変換できるようになったこと自体、何よりも嬉しかった。
拾った栗は、もうこぼさない。

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