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2013年10月号

vol. 079

オランダ病罹患

~「りんくる社はオランダ病にかかってる」とズバリ言われて立ちすくんだ~

「オランダ病」とは、天然資源の輸出によって自国の通貨高を招き、
そのために工業品の輸出が鈍り、国内製造業が廃れてしまう現象を言う。
「副業」が「本業」を壊してしまう恐ろしい病気だ。

私は、りんくる社を立ち上げてから丸3年、
それまで毎年、倍々のペースで、売上と利益を伸ばし、
その順調さに、心から満足し安堵していた。

そしてその結果を、お世話になった方々に報告して回った時、
ある一人の要人に、
「りんくる社はオランダ病にかかってる」と指摘された。

えっ?オランダ病…?
お恥ずかしながら、私はその単語を初めて聞いた。
「何ですかそれ」と聞き返したことを覚えてる。

1960年代初頭、欧州沖で巨大な「天然ガス油田」が発見された。
「北海油田」である。
この権益を有する国は、イギリス、ノルウェー、オランダなど、
油田に等距離の複数の国々だが、
それらの国は、ある日突然、宝くじを当ててしまったのである。

資源のない国、資源を輸入に頼っていた国が、
ある日突然、資源の輸出国になってしまった。
これは国をあげての「お祭り騒ぎ」も仕方あるまい。
オイルマネーが、国の財政を、桁違いに富ませていったのだ。

そしてその中のひとつ、売上高が世界第2位のエネルギー企業である
ロイヤル・ダッチ・シェルを持つオランダは
同じ権益国の中でも、最もその恩恵に浴し、
第一次石油ショックによるエネルギー価格の高騰もあり、
欧州随一の「富裕国」に成り上がるのである。

政府は、国民に「手厚い社会福祉制度」をバラまき、
老朽化していた「社会インフラ」も次々に新しくされていった。
それでも天然ガスはいくらでも湧いた。
だがそんなバブルも、足元をゆっくりと濡らし始めていたのだ。

まず、天然資源の輸出は「オランダ通貨」を一気にハネ上げた。
そしてこの「通貨高」は、
オランダの工業品輸出の「価格競争力」を一気に下げていく。
だがそれでも天然ガスの輸出で潤う経済は、
オランダの製造業が廃れていくのを見過ごして行くのである。
これが世に言う「オランダ病」の正体である。

それまで質素に、堅実に生きてきた小さな国-オランダは、
それまで国を支えてきた産業を失ってしまった。
気付いた時には、もう間に合わない。
フィリップスなど、世界トップクラスの大企業だけは残せたが、
多くの中小企業は息の根を止められた。

国民に「豊かな暮らし」をもたらすはずの「天然ガス油田」は、
なんと、その国の力そのものを蝕む「バブルの財」だったのだ。
現在、オランダは未だ、その産業力を元には戻せていない。
「オランダ病」はそれほどまでに深刻な病気だったのである。

さて「りんくる社」だ。
我が社は、独自に考案した「コンシェルジュサービス」をやりたいがため
創業をしたベンチャー企業である。
ところが、創業から3年目の売上構成を見てみると、
実に、その70%が、コンシェルジュ以外の売上だったのだ。

「オランダ病」を指摘され、その意味さえ分からずその場を過ごしたが、
その意味を知るや、立ちすくんでしまった。
「まさか」と思った。
「副業は、本業を伸ばすためのガソリンなんだから」
そう懸命に「言い訳け」をするのだが、
とうとう自分でも気づかなかった病気に罹患してしまったことを理解した。
「その通りだ」と。

納得するまでに、半年はかかっただろう。
黒字の源になっている「副業」を止めてしまうのだ。
痛いなんてモンじゃなかった。
毎月の給料だけではない。充実した福利厚生。新しい事務所。入口を飾る花。
それらを生んでくれているのは「副業」であり、
それを「多角化」という、都合のいい言葉で包み隠していたはずだった。

だがいくら売上が多くとも、いくら利益が多くとも、
「副業」は「オランダの天然ガス」であり、
それは大きければ大きいほど、
「本業」の力を殺ぐ「媚薬」なんだと言い聞かせた。

3年をかけて「副業」を削り取った。
難しくはない。副業の「新規営業」をしなかっただけだ。
そして8年目の決算。本業比率は80%にまで上昇をする。
ただしこれは「本業」の売上が伸びた結果ではない。
「副業」がそっくりそのままなくなっただけの話だ。
会社のトータル売上は、3年前の半分以下にまで落ち込んでしまった。

さあ、もうこれで「本業」でしかメシは食えない。
もし「本業」がアウトなら、我々は死ぬしかない。
だが、このギリギリの「背水の陣」だが、心持ちは悪くないのだ。
なぜか、サバサバした気持ちもにもなり始めた。
やせ我慢だろうか。それとも開き直りだろうか。

自国の産業がなかなか伸びない悩みを持つサウジアラビアの元石油相は、
「我々は石油ではなく、水を発見していたらもっと幸せになれたのに」
と語ったのは有名な話である。
最後の最後、会社を救うのは「本業の力」である。
今は、そう信じることにした。

貴方の会社の「本業」は、好調ですか?

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 社長 谷洋の独り言ブログ