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2014年12月号

vol. 093

人類英知の反作用の法則

~人は危機予測が出れば「そうはさせじ」とする反作用の性向を持っている~

「このまま推移すれば30年後には地球の平均気温は現在より2℃上がり…」
これは、地球温暖化を危ぶむ最近では聞きなれたニュースだが、
安心をしていい。人類の英知は、この危機を絶対に放置などしない。

こういう「未来予測」はことごとく、その予測が外れてしまう。
予測が間違っていたワケではない。たまたま外れるのでもない。
人類が、外そうと動いた結果なのである。
私は、こういう「予測外し」を「人類英知の反作用の法則」と呼んでいる。

「今のまま、このまま進めば、こういった最悪の状態に進むだろう」
という予測は、昔からあった。
古いところでは、産業革命時のイギリスで、
「1m先が見えない」と嘆いた工場排煙のスモッグ公害だ。
「このままでは5年後、ロンドンに人は住めなくなる」という予測が立った。
だが、それからすでに100年を経過したが、
今、ロンドンの空は、数キロ先までも澄み渡っている。
40年前、海をヘドロだらけにした日本の水質汚染も、
今は同様に、解消されている。

フランスでは日本に先駆け「少子化問題」にブチ当たった。
「このままでは、フランスは年寄りだらけの国になる」と予測がされた。
だが今、フランスは、先進国の中でもトップを行く出生率の高い国だ。

つまり、警告を伴った、これらの科学的根拠に基づいた「未来予測」は、
それが出た瞬間から、人類の英知が結集され、
その予測を外さんと、人類こぞって、逆向きの行動を取り始めるのである。
これが「人類英知の反作用の法則」である。

実はこれに良く似た事象がある。
「予言の自己破綻」と呼ばれている。
「人類英知の反作用の法則」を意図的に使うケースがこれに当たる。

例えば、選挙が行われ、テレビで中間報道があったとしよう。
「このまま推移すれば、A党の圧勝になるでしょう」と報じたら、
まだ選挙に行っていなかった浮遊層たちが、
こぞって、B党への投票に動き始める、という現象である。
そして結果的には、A党が僅差でB党を破ったとしても、
テレビの報じた「予測」は「反作用」を生じさせてしまう効力を持つのだ。

集団心理における「弾性」と言ってもよかろう。
右にパーンと振ると、左側に少しでも戻ろうとする集団心理が働くのだ。
これなら集団扇動も、集団暗示も、集団洗脳も可能となるのだ。

最近では「日本の借金は1,000兆円を超えた」「どうするんだ!」と、
全国民に、将来の不安を駆り立てる報道だ。
ここで起こる「反作用」は、
「少しぐらい行政サービスの質が落ちても仕方がない」
「税金を正しく使うなら、税率アップもやむを得ない」という意識の芽生えだ。
うまくやられた感もある。

さて、本題である。
この「人類英知の反作用の法則」を企業でもうまく使うべきなのだ。
まず、失敗の例をご紹介しよう。

危機管理とは逆のパターンだ。
「今年は会社の目標を早々と達成するだろう」という経営トップの予言によって、
多くの社員が安心し、自然と労働意欲を減速させ、
結果的に、最終目標を達成できなかった、なんていう例がある。
これは「人類英知の反作用の法則」をマズく使った典型だ。

じゃあ経営トップは、
「このままだと目標は達成できない。皆、もっと頑張れ」
と言い続けていれば、業績は上がっていくだろうか。
いやいや。一概にそうは言えない。
「安心していい。目標達成が見えたよ」という予言よりはマシだが、
そんなに簡単に、人間の心理は動かせない。

その経営トップの演出された予言など、
社員達には、簡単にウソかホントかは看破されてしまうものだ。
それに、毎回、毎回、その予測を繰り返せば、
それこそ「狼が来た」となり「ああ、またか」と、
社員たちは逆に、ピクリとも反応しなくなるのがオチだろう。

「人類英知の反作用」は「ホントのこと」が条件となる。
このまま進めば、本当に危機があるからこそ、
人の心理は「反作用」を生じせしめる仕組みなのである。

手順としては「ホント」を公表し、
何も手を打たなかった時の将来図を、そのまんま公表すればいい。
多少の演出はあってもいいが、悲壮感などは不要だ。
「論理的」が一番の演出だろう。

よく社員に「現状」も「将来の危機」も伝えない経営者がいる。
それぞれ、経営者にはその哲学の違いはあるのだろうが、
この「人類英知の反作用の法則」を使わない手はないはずだ。

危機予測を発表した後、社員同士が、
「おい、どうする」「こりゃ、やらんとエラこっちゃ」とういう会話が、
自然と、自発的に、社員の間で交わされるのがベストだ。
リストラをチラつかせたり、パワハラの恐怖政治や、
ボーナスで釣ろうとする、そんな姑息な「心理操作」など論外だ。

人類は、いやいや、社員達は、自分の会社を愛してさえいれば、
地球が、いやいや、会社が壊れていくことに指をくわえたままにはしないのだ。
必ずや「そうはさせじ」という心理が働くのである。
これこそが、美しき「人類英知の反作用の法則」の活用なのだ。

まずは、社員たちに、会社を愛してもらうことだ。
地球を愛する人類と同じ心理が、そこにも存在するのだ。
人類はバカでない。社員もバカではない。

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 社長 谷洋の独り言ブログ